日本最大級の規模を誇るECサイト「楽天市場」ですが、楽天へ出店しても思うような売上・利益が上げられず、撤退を余儀なくされる事業者も少なくありません。
十分な集客が見込めるにもかかわらず、出店に失敗してしまうのはなぜなのでしょうか。よくある失敗の原因や、売上・利益率を改善するための方法の一例も紹介します。
楽天市場の規模
ネット通販サイトへの出品に限らず、ビジネスに取り組む際には入念な市場調査を行わなければなりません。
さまざまなECサイトがあるなかで、楽天市場はAmazonに並ぶほど知名度の高い存在です。2022年12月期の楽天市場の売上高は5兆6,301億円にのぼり、国内EC市場の12.3%ものシェアを獲得しています。
ちなみに、Amazonの日本国内における売上高は約3兆2,000億円となっており、EC市場に占めるシェアは楽天市場が上回っています。
以上のことからも、楽天は高いブランド力はもちろんのこと、国内トップの市場規模を誇っており、しっかりと売れる対策や仕組みづくりをすれば十分な売上と利益を上げられる可能性は高いといえるでしょう。
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楽天に出店しても儲からないのはなぜ?
上記で紹介したような客観的なデータを見れば楽天市場での売上は期待できそうですが、その一方で「楽天への出店は儲からない」、「十分な利益が上げられない」といったネガティブな意見も耳にすることがあります。
その背景にはどういった理由が考えられるのでしょうか。
手数料・出店料への出費
楽天市場へ出店する際には、初期費用として6万円、さらに売上手数料やシステム利用料などを毎月支払わなければなりません。
毎月のランニングコストは売上規模によっても変わってきますが、小規模店舗であっても毎月最低1万9,500円が固定費として発生します。
小規模事業者にとっては毎月数万円の固定費は決して安くなく、これらのコストが利益を圧迫することがあります。
競合との差別化
楽天市場は多くのユーザーからのアクセスが見込める一方で、出店店舗数も多いため価格を比較されやすい側面もあります。
売上規模の大きい店舗が低価格で提供してしまうと、小規模店舗にとっては太刀打ちできず顧客が流れていくことも少なくありません。
配送や顧客への対応
楽天市場で対応しているサービスは出品と決済であり、配送や顧客からの問い合わせなどは出店者が個別に対応しなければなりません。
売上規模が大きくなるほど雑務に追われ、人件費がかさむことも多いようです。
楽天市場の独自ルールがある
楽天市場は商品を出品する際、タイトルや画像の掲載方法などに細かなガイドラインがあります。出店者はこれらを遵守しなければならず、さらに不定期でルールが変更されるため対応に追われることも多いようです。
ECコンサルのサポート不足
楽天市場をはじめとしたECサイトでの売上アップを実現するために、コンサルタントに相談・依頼する店舗もあります。しかし、依頼したコンサルに十分な知見や知識がなかったり、サポート内容が自社にマッチしていなかったりすると効果が得られないこともあるでしょう。
関連記事:楽天市場におけるページ作成と商品登録のコツやおすすめツールを紹介
楽天への出店でよくある失敗
楽天市場へ出店したものの売上が伸び悩む店舗は、さまざまな失敗をしているケースが少なくありません。典型的な失敗例をいくつか紹介しましょう。
競合の調査不足
楽天市場には自社と同じようなジャンルの商品を出品している店舗があるはずです。競合調査をしないまま出店をすると、他社との差別化ができず売上が伸び悩むことがあります。
ターゲットの把握不足
自社の商品をどのような人に売りたいのか、ターゲットを明確にできていないと、マーケティングにおいて有効な対策が打てず、売上が低迷することもあるでしょう。
SEO対策が不十分
SEO対策とは「検索エンジン最適化」ともよばれ、あるワードで検索したときに上位に表示させるための対策を指します。
たとえば、単に商品名だけを掲載するのではなく、関連ワードも含めることで多くのターゲットに認知してもらえる可能性が出てきます。しかし、SEO対策が不十分だとターゲットとなるユーザーの目に留まる機会が減り、売上が伸び悩む原因になります。
広告戦略が不十分
高い売上を上げている店舗は、楽天市場へ商品ページを掲載するだけでなく、SNSや自社サイトなども活用しながら積極的に広告を打っています。しかし、広告戦略が不十分だと露出が減り、売上が伸び悩むこともあります。
レビュー・評価数が少ない
楽天市場に限らず、ECサイトを利用するユーザーの多くはユーザーからのレビューや評価を参考にしています。
しかし、レビューの数が少ないと不安に感じ、購入を見送るユーザーも出てくるでしょう。
多くのレビューを獲得するために、評価やレビューを書いたユーザーには何らかの特典を用意しているお店も少なくありません。
商品数が少ない
出品している商品数も店舗全体の売上に影響します。特に事業をスタートさせたばかりの店舗や、個人で経営している小規模な店舗は商品数が限定され売上も伸び悩むことが少なくありません。
利益率を計算していない
ライバル店舗との価格に対抗し売上を重視するあまり、十分な利益率が確保できなくなるケースもあります。
関連記事:楽天ランキングの確認方法を解説!集計期間の違いなども紹介
楽天への出店で儲かる店舗の特徴
手数料やライバル店舗との競争があるなかでも、高い売上と利益を確保している店舗も少なくありません。そのようなお店にはどういった特徴があるのでしょうか。
商品ページを工夫している
多くのお店に共通しているのは、魅力的で購買意欲をそそる商品ページを工夫していることです。たとえば、利用シーンが具体的にイメージできる商品画像や、その商品ならではの強みや特徴が一目でわかるような工夫が見られます。
ユーザーアクセスの解析・分析
自社のページにどのようなユーザーがアクセスしているのか、性別や年代といったユーザーの属性を徹底的に解析・分析しています。
集客戦略・広告戦略
ユーザーの属性を正確に把握したうえで、効果的な広告や販促の戦略を検討している店舗も多いです。たとえば、赤字覚悟の目玉商品を数量限定で用意したり、SNSも併用して多くの人の目に触れるようにすることも効果的です。
リピート率が高い
新規顧客の獲得も大切ですが、安定的な売上と利益を確保するためにはリピート顧客を増やす必要があります。店舗独自のクーポンや割引券など、次の購買につながる施策も積極的に展開しています。
関連記事:楽天で効果のあるSEO対策の方法やサジェストツールの活用方法を解説
楽天への出店で売上や利益率を上げる方法は?
これから楽天への出店を検討している、または売上が伸び悩んでいる店舗が安定的に経営していくためには、どういった方法・工夫が求められるのでしょうか。
コストの最適化
楽天市場のシステム利用料は、小規模店舗向けのものから大規模店舗向けのものまでいくつかのプランが用意されています。それぞれの需要に見合ったプランを選択し、無駄なコストを抑えるようにしましょう。
また、適正な送料を設定することもコストの最適化には不可欠です。すべてを無料にするのではなく、たとえば「◯円以上購入の場合は送料無料」など、利益とコストのバランスを考えることが大切です。
売れ筋商品・目玉商品の用意
安定的な売上を確保するためには、売れ筋商品や目玉商品を用意することも有効な対策です。一商品あたりの利益は少なくても、まとめ買いやセット購入を促すことで利益率が向上します。
広告運用
新規顧客獲得のためには、SNSなどを積極的に活用し広告を展開しましょう。X(旧ツイッター)やInstagramなどを使って発信することで、コストをかけずに手軽に広告を打つことができます。
信頼性の高いECコンサルへの相談
楽天市場に限らず、ECサイトでの売上アップを実現するためにはマーケティングやWebページ制作といった専門的なノウハウが求められます。品質の高い商品を出品しているにもかかわらず、売上や利益が上がらないという場合にはECに特化したコンサルティング会社やシステム開発会社へ相談することも検討してみましょう。
関連記事:楽天ランキングツールのメリットとは?ツールを使うべき店舗の特徴も紹介
テクノデジタルなら楽天市場の売上改善に貢献
楽天市場では多くの競合店舗が存在するため、単に品質の高い商品を出品すれば売れるとは限らず、綿密なマーケティング戦略や見やすい商品ページの制作も重要です。
テクノデジタルではマーケティングやWebサイト制作、Webシステム開発などを通して事業支援を行っています。
また、新規顧客の獲得に欠かせないSEOやSNS運用といった支援も可能なため、楽天市場の売上改善に向けてECコンサルをお探しの方は、ぜひ一度テクノデジタルへご相談ください。
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