楽天市場には大小さまざまな規模の店舗が数多く出店しています。個人で物販事業を行っている方のなかにも、出店を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、そもそも個人で楽天市場へ出店できるのか、どの程度の費用がかかるのか不安に感じることもあります。本記事では、個人が楽天市場へ出店する際に必要な準備や費用、審査などを詳しく解説します。
楽天市場への出店は個人でもできるの?
楽天市場はオークションサイトやフリマサイトなどと異なり、店舗として出店契約を結び、商品登録や商品ページの作成などさまざまな準備を完了することで初めて出品することができます。
しかし、このような説明を聞くと、「出品できるのは法人や店舗をもつ事業者だけなのではないか」、「個人では出品できないのではないか」と感じる方も多いでしょう。
しかし、結論からいえば個人であっても楽天市場への出品は可能です。実際に楽天市場の利用規約のなかでも、個人事業主の出品は認められているのです。
個人事業主として楽天市場に出店するメリット・デメリット
ネットを活用してモノを販売する場合、楽天市場以外にもさまざまなルートやプラットフォームがあります。そのなかで、あえて楽天市場を選ぶことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。反対に、デメリットといえるポイントも紹介します。
メリット
最大のメリットは、国内最大級のECプラットフォームを活用できることです。楽天市場の国内における売上のシェアはAmazonを凌ぐ規模で、多くのユーザーが利用しています。そのため、ほかのプラットフォームよりも多くのユーザーにアプローチでき、信頼性も高いため、売上を伸ばせる可能性があるでしょう。
また、楽天市場では出品までにさまざまな準備が必要ですが、そのためのサポートも充実しています。初めての出品でシステムの操作に不慣れな方であっても、安心して出品できることも楽天市場のメリットといえます。
デメリット
デメリットとして挙げられるのは、楽天市場への出店には月額利用料を支払う必要があり、売上の安定しない小規模事業者や個人にとっては大きな負担となることです。
利用料は売上規模によっても異なりますが、最低でも毎月1万9,500円を支払わなくてはなりません。
また、プラットフォームとしてのシェアが高いということは、その分ライバル店舗も多いことを意味しています。ECサイトは複数店舗を同時に比較しやすいこともあり、競合店舗に価格で負けてしまうこともあります。
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個人事業主が楽天に出店するために必要なこと
個人事業主が楽天市場へ出店する場合、具体的にどのような準備が必要なのでしょうか。
開業届の申請
楽天市場では申請したすべての事業者や個人が出店できるものではなく、所定の審査があります。
個人の場合、まずは管轄の税務署へ「個人事業開業届」を提出し、個人事業主として開業できる状態にしておかなければなりません。
実績作り
開業届を提出した後は、事業者としての実績を上げるための準備が必要です。
具体的には、在庫を保管しておくための倉庫の手配や物流体制の整備、仕入先の確保などが挙げられます。個人事業主の場合、これらを自前で手配することは難しいため、物流アウトソーシング事業者へ依頼するケースも少なくありません。
また、楽天市場以外のプラットフォームや小規模店舗の開設、自社サイトの構築などによって、販売実績を積み上げることも審査に有利に働く場合があります。
必要書類の準備・申請
実績作りまでの準備が完了したら、楽天市場への出店申請に必要な書類を用意します。
具体的には、以下の書類を揃えておきましょう。
- 出店申込書(楽天市場のWebサイトから入手)
- 審査に必要な書類
- 商品の販売にあたって必要な事業許可や資格、認可(古物取扱、酒類販売、食品営業、医薬品販売など)
- 販売商品のオリジナル撮影画像
- 印鑑証明書
- 住民票
- 実店舗の画像(店舗がある場合)
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個人事業主が楽天に出店するまでのステップ
必要書類を揃えた後はどのような手順で申請を行い、出店に至るのでしょうか。
1.Webから出店申し込み
楽天市場のWebサイト(https://ecappfrm.rakuten.co.jp/ichiba/entry/tg/tp/?l-id=pc_header_direct)から必要情報を入力し申し込みを行います。
ちなみに、必要書類のなかに「出店申込書」がありますが、Webからの申し込みも同様の情報入力が求められます。出店申込書はWebからの申請が完了後、原本として提出が求められます。
2.RMSアカウントを開設
RMSとは「Rakuten Merchant Server」の略称で、楽天市場の店舗運営システムのことを指します。
RMSアカウントは楽天市場への出店に不可欠で、取得すると出店用アカウントが使用できるようになります。
3.開店準備をして開店前審査を受ける
楽天市場へ出店するために必要な開店準備を行います。具体的には以下の項目がチェックされます。
- 決済
- 店舗運営ルール検定試験の合格
- 配送方法
- 商品登録
- 商品ページの制作
- 看板画像の制作
4.審査完了・開店
上記の項目の審査を受け、無事通過すると出店および販売が可能となります。
楽天市場への出店で選べるプラン
楽天市場への出店にあたっては月額利用料が発生すると紹介しましたが、以下の4つのプランが用意されています。
がんばれ!プラン
- 年間出店料:234,000円 一括払い
- 月額換算:19,500円
- 初期登録費用:60,000円
ひと月あたり1万9,500円の最安プランです。登録可能商品数は5,000商品、商品ページに掲載する容量は500MBが上限となっており、個人事業主や小規模店舗におすすめのプランといえるでしょう。
なお、上記とは別に月額売上高の3.5〜7.0%がシステム利用料として発生します。
スタンダードプラン
- 年間出店料:600,000円(半年ごとに300,000円×2回払い)
- 月額換算:50,000円
- 初期登録費用:60,000円
ひと月あたり5万円のスタンダードプランは、売上規模が安定してきた個人事業主や小規模店舗におすすめのプランです。
2万品までの商品が登録可能で、商品画像の容量は5GBまでとなっています。システム利用料は月間売上高の2.0〜4.5%と割安で、一定規模以上の事業者にとってはコストパフォーマンスの高いプランといえるでしょう。
メガショッププラン
- 出店料:1,200,000円(半年ごとに600,000円×2回払い)
- 月額換算:19,500円
- 初期登録費用:60,000円
取り扱い商品数が多く事業規模も大きい店舗におすすめなのがメガショッププランです。
出店料はひと月あたり10万円と高額ですが、登録可能な商品数、画像容量ともに無制限のため安心して出品できます。
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個人事業主が楽天への出店審査に落ちる可能性とその理由
ここまで紹介してきたように、楽天市場への出店にあたっては審査を通過する必要があるため、個人事業主が審査に落ちてしまう可能性は決して低くないでしょう。
特に多い理由が、事業の実績や実態が確認できないというものです。ネットオークションサイトやフリマサイトにおいて副業感覚で販売してきた方は、開業届を出していたとしても実績として認められず、審査に落ちる可能性は高いでしょう。
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個人出店でも楽天で売上を出す方法
個人事業主は大手の店舗に比べて価格競争で不利に働きやすく、売上が伸び悩むことがあります。決して好条件といえない環境のなかで、売上を伸ばすにはどういった方法が有効なのでしょうか。
SEO対策
SEO対策とは、検索結果のページのなかで上位に表示させるための対策です。
楽天市場で目的の商品を見つけるためには、検索機能を利用するユーザーも多いことから、タイトルや説明文のなかに関連ワードを盛り込むことで検索上位を獲得でき、商品の売上につながりやすくなります。
競合調査
楽天市場のランキング上位にある商品ページの見せ方や工夫を分析し、徹底した競合調査を行うことも重要です。
商品ページの見せ方や使用する文言によっては売上に貢献できる場合もあります。
出品ツールや商品管理ツールの活用
楽天市場への出品には在庫管理や商品ページの作成、編集などさまざまな業務があり、個人事業主にとっては大きな負担となります。
そこで、店舗運営に関わるさまざまな業務を効率化するツールの活用もおすすめです。無料のツールも多いことから、さまざまなツールを比較してみましょう。
関連記事:楽天で効果のあるSEO対策の方法やサジェストツールの活用方法を解説
テクノデジタルで楽天SEO対策するメリット
激しい競争のなかでも楽天市場のなかで個人事業主が生き残っていくためには、SEO対策をはじめとしたさまざまな方法を試してみることが大切です。
テクノデジタルでは楽天市場に特化したSEO対策や商品ページの作成、マーケティングなどさまざまな支援を行っており、個人事業主の売上向上をサポートしています。
楽天市場への出店が初めてでノウハウがない、出店しているものの売上が伸び悩んでいるといった方は、ぜひ一度テクノデジタルまでご相談ください。
まとめ
楽天市場は開業実績があれば個人でも出店が可能であり、実際に個人事業主として店舗を運営している人も少なくありません。
ただし、ネットオークションサイトやフリマサイトのように誰でも出品ができるわけではなく、開店にあたっては審査をクリアしなくてはなりません。
まずは開業届を申請し、事業としての実績を積んでいくことが第一歩となるでしょう。
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